学校以外の学び方について

小中学生の子供が不登校になると、「今の学校に復帰させたい」とほとんどの保護者は願うと思います。しかし、学校は万人に適している場所ではありません。本人の発達上の特性が一斉授業に合わなかったり、いじめがあったりなどする場合、在籍している小中学校には行かない選択肢もあります。「学校に行かない=悪いこと」ではありません。「学校に行かない=負けること」でもありません。「学校に行かなくてはいけない」という固定観念が子供を苦しめることがあります。「子供時代を、その子らしく、楽しく生きること」が、自尊感情を育み、将来生活していく上での根になります。ここでは、小中学校に代わる学び方を2つ紹介します。

・フリースクール

学校と併用して通ったり、毎日通ったりすることができます。規模の大きな所から、マンションの一室、学校法人の運営など、さまざまなフリースクールがあります。(教育)方針も千差万別なので、お子様の特性に合うかどうか、いくつか比較して検討することがおすすめです。お住いの地域によっては通える場所にないことが難点ですが、お子様に合うフリースクールが見つかれば、学校に戻る以上にお子様がいきいきできる場所になることもあります。

以下から主なフリースクールを検索できます。

NPO法人フリースクール全国ネットワーク』https://freeschoolnetwork.jp/

※私どもでも2021年秋に東京都調布市近辺にフリースクールを開設する予定です。子供自身の発想と自由を大切にする居場所を作ります。詳しくはメールや電話でお問い合わせください。

・ホームエデュケーション(ホームスクール)

文字を読むと『家』で『教育』を行うこととなりますが、本質は『子供を中心とした学び』のことです。海外では以前からある学び方で、一定の市民権を得ている『積極的な不登校』ともいうべき学び方です。学校には通わずに、子供の興味関心に合わせて、子供自身がプログラムを決めたり、保護者と子供が話し合って内容を作ったりします。「家に閉じこもって学ぶ」ということではなく、本人の学びに合わせて、「博物館」や「美術館」に出向いたり、「山」や「海」の自然を教材にしたりすることもあります。遊びから派生した関心ごとを深めたり、知りたいことをとことん追求することも可能です。フリースクールに行くことが難しい、毎日は行かない、という場合はこのような形で学べると良いと思います。ただし、保護者とお子様だけでプログラムを考えたり、保護者が学習を教えたりするには大変なエネルギーが必要です。私にご相談いただければ、プログラムを一緒に考えたり、家庭教師として学習を教えたりすることが可能です。ホームエデュケーションをお子様が希望している場合はぜひご相談ください。また、ホームエデュケーションは、現在の日本では法律の裏付けがあるわけではありません。学校と対立するものでもありません。他に選択肢がない場合や、フリースクール又は学校に行く前段階として行うことが現実的かもしれません。


中学後の進路について

中学卒業後になると選択肢がかなり増えます。この時期までに「人や社会に対する恐怖心」を軽減したり、「自分自身の発達上の特性」に気付けたりすることで、自分に適した学び方を選べるようになると考えます。以下にいくつかの選択肢を書きましたので参考にしてください。


・全日制高校に進学する

朝から夕方まで通う、いわゆる一般的な学校です。進学のタイミングで学校に通えるようになる子は意外と多いですが、不登校に寛容かどうかや、自分の興味関心に合っているか、学習についていけるか、校風は大丈夫かなど、十分に検討して選択しないと、入学してから辛くなることもあります。   


・通信制高校に進学する

中学で「勉強が原因で通えなくなった」という子や、「起立性調節障がい」の子に相性が良いのが通信制高校です。ごく簡単な入試で入学でき、自分のペースで学ぶことができます。不登校経験者が多く、行事などで他の子と会ったときに共感しやすく友達を作りやすいメリットがあります。学費も安いところが多いので保護者の負担も少ないです。


・定時制高校に進学する

多くの学校が夜間に授業を行います。以前は卒業まで4年かかりましたが現在は3年で卒業することも可能です。不登校経験者の受け皿になっていると同時に、若い時に高校に行けなかった年長者や全日制を退学になった生徒などもいて、個性豊かなメンバーといえます。全日制と同じく出席や成績も重視されます。


・高卒認定試験を目指す

文部科学省が毎年8月と11月に試験を実施しています。翌春の3月31日までに満16歳以上になり、大学入学資格のない人が受験できます。あまり知られていませんが、試験は教科書程度の優しい問題を、選択式のマークシートで答えるので難しくありません。一度の試験で全科目合格しなくても、一度合格した科目はその後も有効になりますので、「仕事をしながら受験」したり「好きなことをしながら受験」したり、自分のペースで受験できます。参考書で学習、オンライン学習、塾で学習などさまざまな方法で学び、合格を目指すことができます。


・高等専修学校に進学する

「職業や実生活に必要な能力」を育成すること、または「教養」の向上を目的とした学校です。調理、美容、デザイン等専門性の高い分野の技術と知識が学べます。卒業しても高卒資格にはなりませんが、一定の要件を満たした場合には大学入学資格が得られます。詳しくは文部科学省のホームページをご覧ください。


・高等専門学校に進学する

「職業に必要な能力」を育成することを目的とした学校で、5年または5年6カ月の期間学ぶ学校です。工業、商船に関する学科があり、卒業後に大学に編入する場合は3年生に入学できます。一般的に「高専」と呼ばれており、全国で約6万人の生徒が学んでいます。


・特別支援学校高等部に進学する

卒業しても「高卒」資格をとることはできませんが(一部例外あり)、「大学受験資格」を得ることができます。盲・ろう・知的障がい・肢体不自由・病弱のある子供の進学先として、個に応じた教育を行っています。また、高等特別支援学校という高等部単独で設置される学校もあり、一般企業への就職ができる可能性が高い生徒に対して、就労に重点を置いたカリキュラムで教育しています。


・各種学校に進学する

洋裁、料理、福祉など多様な分野の学校や、予備校、自動車学校、珠算などの学校も含まれます。「学校教育に類する教育を行うもので、所定の要件を満たす教育施設」と規定されており、公立のものは都道府県の教育委員会が認可し、私立のものは都道府県知事が認可しています。



以上、少しだけ書きました。詳しくは加盟団体のホームページや、各学校のパンフレットなどを見るとわかりますので、そちらをご覧ください。