大人のイライラ、怒り…「どうする?」
◎「親がイライラするのは良くない」「イライラしたら5つ数えて落ち着きましょう」などとアドバイスされることがあります。しかし、「部屋の片づけをしない」「ゲームばかりして宿題をやらない」など、日々ずっと子供と生活していると、良くないところ、直したいところばかりが目について、イライラしたり、怒ってしまったりするものです。これは、ごく自然なことです。
◎「いけないとわかっているのに、ついイライラして怒ってしまうのです」という保護者の方々からの声を多く聞きます。中には御自身を責めてしまっている方もいらっしゃいます。では、どうしたらよいでしょうか。いくつか御紹介いたします。
◎イライラ、怒りは、誰もがもっている自然な感情です。そのこと自体を否定してはいけません。この感情は、無理に封じ込めようとしても難しいです。落ち着いているときにでも「イライラしているとき、怒っているとき、自分の体、表情、声はどのように変化するのだろうか?」と思い返してみてください。自身の感情に対しての「気づき」「観察」「自覚」をするだけでも、気持ちが安定し、感情の表現の仕方が自然と調節されることがあります。
◎子供に対して「こうあるべきだ」と、高すぎる理想、多すぎる要求、他人との比較などで、そのギャップが大きいほど、大人のイライラも大きくなるものです。イライラは子供にも伝染します。子供の成長の仕方、困り感に寄り添い、認めてあげることが大切です。
◎子供にとっても大人にとっても一番効果的なのは、問題が起きた場合、「とにかく子供の話を聞くこと」です。自分の話をじっくり聞いてくれる人がいると、子供は安心感をもつことができる上、気持ちを言葉にすることになるので、感情の表現が穏やかになっていきます。聞いている大人も、子供のつらい思いや考えていることがよくわかってきます。
☆「へえ、そうなんだ」「~と思ったんだね」「そうか、つらかったね」「○○さんに言われて、悔しかったんだね」など .........【共感】
☆「そのとき、どう思ったの?」「何が一番頭に来たの?」.........【気持ちを言葉にする】
☆「そこをやり返さないで、我慢したのは立派だったね」「そうなんだ。自分でも悪いと思ったんだね」など.........【部分的にでも褒める】
※問題が起きた以外でも、日頃から子供の話を聞く習慣を作っておくことが大切です。そして、大人自身も自分の気持ちを素直に話せる人を作っておくとよいでしょう。