勉強~運動と組み合わせて効果アップ!
スポーツ、体操やストレッチ、サイクリングやジョギングなど、体を動かすと、頭の中がスッキリし、ストレスも解消し、嫌なことも忘れ、幸せになった気分になることは、誰もが経験していることですね。しかし、このことは「気分」ではなく、運動により実際に脳の働きが活性化するためということが、最新の研究で分かってきています。
しかし、脳の働きが最も求められる学習の場面では、「よい姿勢で」「お行儀よく」「じっと座っている」ということが求められています。これでは、脳の働きが不十分になり、集中力や学習効果にも影響を及ぼしてしまうことになりかねません。
自宅での学習で、「なかなか勉強に集中しない」「やる気を出さない」などの様子が見られる場合は、次のようなことを試してみてはいかがでしょうか。一例を紹介します。
・日頃行っている体操を自宅学習の初めや合間に取り入れてみる。
・時には、学習で使う椅子や机を変えてみたり、ソファに座ってリラックスした姿勢でやったりして、姿勢や感覚に変化を与えてみる。(立ったまま学習すると集中力が高まるという調査もあります)
・学習を休憩時間を作らずに行うのではなく、こまめに休憩を入れて、筋トレ、ストレッチ、縄跳びなど、すぐにできるちょっとした運動を取り入れる。
・部屋の広さや安全が確保できれば、椅子の代わりにバランスボールを使ったり、椅子の下にバランス運動用の座布団を敷いたりする。
東京オリンピック、パラリンピックを前に、日本では一般の人々にもスポーツ熱が高まっています。健康志向にとどまるのではなく、「運動が学習や認知能力にどのように影響するか」の研究が本格的に進んでいます。この研究の報告や成果を見守りたいものです。
文:東京都指導教諭(特別支援)
(イラスト)土佐うさこ